ロックのすゝめ ~栄光のブリットポップ編~
みなさん、こんにちは。第3回でございます。
前回は、1990年代のアメリカのロックバンドを紹介しましたが、今回はイギリスのロックバンドを紹介したいと思います。
90年代のイギリスでは、ブリットポップと呼ばれるジャンルが流行しました。
ブリットポップの定義はかなり曖昧なもので、「90年代以降にイギリスで活躍した、様々なジャンルのロックバンド群」といった感じでしょうか。
ブリットポップのブーム自体は長くはありませんでしたが、いまだに根強いファンを持つロックバンドも多いです。私もその一人です。
そんな敬愛するブリットポップには、かなり肩入れしてしまいそうです。
それでは、そんなブリットポップを代表するバンドの中から、今回は
Oasis、Blur、Pulp、Suede
の4つのバンドを紹介したいと思います。
Oasis
オアシスは、1992年、『Supersonic』でデビュー。
ストレートなメロディと、オリジナリティのある歌詞で多くの人を魅了したロックバンドです。
ボーカルのリアム・ギャラガーと、ギターのノエル・ギャラガーの"ギャラガー兄弟"が中心となり、結成。
代表曲は『Don't Look Back in Anger』、『Wonderwall』など。
リアム・ギャラガーの天才的で、耳に焼き付くようなボーカリングは、クラシカルでありながら、これまでには無かった、新しいもので、イギリスの音楽雑誌『Q』での、偉大なシンガーランキングで、11位にランクインしたこともあります。
労働者階級出身の彼らは、同じ境遇でもあったビートルズからの影響を公言。
ポピュラーな音楽性とは裏腹に、ほかのアーティストにたいしての罵詈雑言や、奔放な態度でもメディアを賑わせました(ちなみに、逮捕歴もあります)。
また、ギャラガー兄弟の不仲はとても有名で、度重なる兄弟ゲンカが原因で解散する
ことになりました。解散してから10年弱経った今でも、ツイッターで罵り合っていて、和解はしていないようです。
Blur
唯一無二の世界観と、進化し続ける音楽性で音楽業界をリードするイギリスを代表するロックバンド。
ブラーは、1990年に『She's So High』でデビュー。
バンドメンバーの各々が、違った音楽センスを持ち、互いに衝突しあうことで生まれた楽曲は天下一品で、類を見ない一種のアート作品のようになっています。
代表曲は『Girls & Boys』、『Song 2』など。
洒落ていて、毒気を帯びたサウンドを持つ彼らは、中流階級の出身で、労働階級出身のオアシスのストレートで泥臭いサウンドと天秤にかけられることも多く、対比的な存在でもありました。
ブラーの活動休止後、ボーカルのデーモンアルバーンは、バーチャルバンドであるゴリラズを結成。
遊び心があるデーモンのソングライティングで、現在、最も影響力を持つバンドの一つでもあります。
Pulp
パルプは1983年に『My Lighthouse』でデビュー。
ニューウェーブ全盛期にデビューしたが、15年近くの間、鳴かず飛ばずの下積みを経験し、成熟した彼らの音楽は、イギリス的なユーモラスを含んでいる知的な雰囲気で、90年代以降のイギリスの音楽シーンで異彩を放ちました。
代表曲は『Disco 2000』、『Common People』など。
『Common People』は、イギリス国内での人気が非常に高く、90年代の人気曲ランキングでは、常に1位になる程。
陰鬱な雰囲気を持ち、文学性がありながらも、社会的で、機知に富んだリリックは社会的に大きく受け入れられるきっかけとなり、一気にメインストリームにのし上がった曲となりました。
まさしく、ブリットポップシーンの頂点に立ったとも言えるバンド。
Suede
スウェードは1992年に『The Drowners』でデビュー。
イギリスを代表する変態バンドで、唸るようなギターと唸りながら歌うボーカルが特徴。
ダークな雰囲気のサウンドの中にキラリと光るポップセンスと、セクシーでデンジャラスな歌詞が織りなすハーモニーはまさに変態。
代表曲は、『Beautiful Ones』、『Animal Nitrate』など。
一見、色物バンドだが、ブリットポップを最初に定義づけたバンドであり、元祖とも言える存在。
話題作りのために言い始めたセクシャルな発言は話題を呼び、時代の寵児となったバンドでもあります。
変わり続ける音楽性と、時代の流れの中で芯にある耽美性だけは見失わない美しいロックバンドです。
以上が、1990年代イギリスのブリットポップシーンで活躍した4つのバンドでした。
それぞれが違った方向性を持つ彼らの音楽は、どれか一つはハマるものがあるのではないでしょうか。
もちろん、これらは氷山の一角に過ぎません。
また、紹介できればと思います。
それでは。
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